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その他 2025.05.01
廃棄物の種類がわからず、分別に不安がある
処理委託時の法律や義務について整理したい
法令違反にならない廃棄物管理の体制を整えたい
企業が日々の業務で排出するゴミは、単なる「ごみ」ではなく、**適切な区分と処理が法的に求められる「廃棄物」**です。誤って処理すれば、行政指導や罰則、さらには企業の信頼低下にもつながります。
そこでまず押さえておくべきが、廃棄物の基本的な分類である
**「産業廃棄物」と「一般廃棄物」**の違いです。
事業活動に伴って発生する、法令で定められた20種類の廃棄物
「産業廃棄物」は、企業などの事業活動によって生じるもので、下記のような20種類の品目が定義されています(廃棄物処理法施行令第2条)。
廃油(機械油など)
廃酸、廃アルカリ(洗浄液、薬品残渣)
金属くず、ガラスくず、鉱さい
建設系:がれき類、汚泥、木くず、廃プラスチック類
このように**「何をして発生したか」「どの業種か」「どんな物か」**によって、産業廃棄物に該当するかが決まります。
産業廃棄物に該当しない廃棄物=「その他すべて」
「一般廃棄物」は、家庭から出るゴミのほか、事業所から出るものであっても、産業廃棄物に該当しないものを含みます。
事務所から出る紙ごみ(シュレッダーくず等)
お弁当の容器、使い捨てカップ
少量の生ごみ(飲食業など)
注意すべきなのは、企業が排出しているからといってすべてが産業廃棄物ではないという点です。
企業が廃棄物を出す以上、「排出事業者責任」が課せられます。
廃棄物処理法第3条:
“事業者は、自らの責任において適正に廃棄物を処理しなければならない”
適切な分別・分類(産廃か一般廃か)
委託先との契約(産廃の場合は「委託契約書」必須)
処理実績の把握(産廃は「マニフェスト」管理)
保管・運搬時のルール遵守
違反すると、以下のような行政処分・罰則を受ける可能性があります。
違反内容 | 例 | 処分・罰則 |
---|---|---|
無許可業者への委託 | 費用が安いからと未確認で委託 | 5年以下の懲役 or 1,000万円以下の罰金 |
不法投棄 | 排出者が関与しなくても責任あり | 社名公表・刑事責任も問われる |
マニフェスト不備 | 記入漏れ、保存忘れなど | 改善命令、罰金の可能性 |
廃棄物の種類を把握しているか?
産廃と一般の区分は正しいか?
委託先は許可業者か、契約書はあるか?
マニフェストは運用されているか?
委託処理には、以下が必要です。
種類 | 必要な手続き |
---|---|
産業廃棄物 | 書面での委託契約 + マニフェスト |
一般廃棄物 | 原則、市区町村の許可業者に委託 |
適正処理を担保するため、定期的な委託先の監査も重要です。
誤った分別・保管は現場から起こります。以下のような社内体制が必要です。
廃棄物ごとの「分別マニュアル」の作成
ポスター掲示・現場での声かけ
年1回以上の廃棄物管理研修(特に総務・設備管理部門)
環境配慮が企業評価の基準になりつつある現在、廃棄物管理もただの「コスト」ではありません。
マニフェストの電子化(JWNET)
排出量の可視化・KPI管理
SDGsやESG報告との連動
こうした取り組みは、環境報告書や取引先への信用向上にもつながります。
項目 | 産業廃棄物 | 一般廃棄物 |
---|---|---|
発生源 | 特定業種・活動 | それ以外の業務・家庭系 |
委託方法 | 許可業者+契約+マニフェスト | 市町村の許可業者 |
主な義務 | マニフェスト管理・監査 | 地方自治体との連携 |
自社の廃棄物を棚卸しして分類を再確認
契約や処理ルートを見直す
社内ルールと教育体制の整備
必要であれば専門業者への相談も検討
適切な廃棄物管理は、コンプライアンスと企業価値向上の両立につながります。いま一度、自社の管理体制を見直してみてはいかがでしょうか?